2018年12月2日日曜日

関戸・桜ヶ丘と連光寺~聖蹟桜ヶ丘駅から多摩丘陵に

11月24日(土)に開催したフィールドワーク「関戸・桜ヶ丘と連光寺~聖蹟桜ヶ丘駅から多摩丘陵に」の報告です。


聖蹟桜ヶ丘駅を真ん中にして、午前は左側の関戸・桜ヶ丘を、午後は右側の連光寺を歩きました。


明治39年測図。現在の聖蹟桜ヶ丘駅周辺は田んぼで、乞田川を挟んで関戸と連光寺の集落があります。


昭和4年鉄補。関戸駅(聖蹟桜ヶ丘駅の旧駅名)は、1925年(大正14)に開業しました。旧鎌倉街道と川崎街道の道筋や、蛇行する大栗川・乞田川の流れは明治期と大きな変化がありません。


昭和29年修正。川崎街道の新道が開通、大栗川と乞田川も河川改修により直線化されてきました。関戸駅は1937年(昭和12)に改称、駅周辺が桜の名所だったこと、連光寺が明治天皇の御狩場であったことに由来するとのことです。


昭和41年改測。丘陵と田んぼが住宅地になってきました。


昭和50年二改。多摩丘陵の桜ヶ丘住宅の入居が進み、大栗川と乞田川はほとんど直線に。


聖蹟桜ヶ丘駅をスタート、駅近にある九頭龍公園のモニュメント。中世の大洪水の際に、九つの頭を持つ龍のようなものが流れ着き、それをご神体として祀ったといわれる九頭龍神社が近くにあります。


大栗川。八王子市鑓水付近を水源地とする多摩川支流の一級河川です。写真右側が旧鎌倉街道と川崎街道の分岐点付近。


そこに道標がありました。


旧鎌倉街道(古道の鎌倉街道上道)にある関戸古戦場跡から入った道沿いの私有地には北条泰家の家臣、横溝八郎の墓と伝えられる塚があります。他にも1333年(元弘3)の「関戸合戦」に由来する安保入道や無名戦士の墓、新田義貞にまつわる伝承地が、この一帯に残されています。


地酒の小宮商店に寄りました。圧倒的な品揃えで、フィールドワーク最後にも寄ってしまいました。道路右側は佐伯谷戸の入り口です。


観音寺。関戸村名主の相沢伴主の墓があります。相沢氏は、江戸時代に多摩川の源流から河口までを描いた「調布玉川惣画図」を発刊しました。


観音寺は、なで観音としても知られています。


目の前は関戸川の源流、谷戸地形です。


さらに熊野神社に。鎌倉街道上道が通っていた関戸は交通の要衝の地、中世には霞の関、つまり関所がありました。関戸の名前の由来とされています。熊野神社では、1959年(昭和34)に発見された木戸柵が復元されています。


素晴らしい谷戸風景、狼谷戸と呼ばれます。ここで収穫された麹米により作られた純米吟醸酒が「原峰のいずみ」、さきほどの小宮商店で入手できます。


谷戸を上ると風景がガラリと変わり、桜ヶ丘住宅地です。京王電鉄が初めて手がけた大規模住宅開発で、1962年(昭和37)に1区画平均100坪で第一期分譲が開始されました。


桜ヶ丘はジブリ映画『耳をすませば』の舞台としても知られています。ラウンドアバウトが印象的な桜ヶ丘ロータリー。素敵なお店もあります。


尾根道から聖ヶ丘方面の眺め。しばし見入ってしまいます。


関戸城天守台跡付近。この先に天守台の標柱がありますが、物見台的な城砦が標柱の北側あたりにあったのではないかといわれています。


金比羅宮。ここも『耳をすませば』で有名です。桜ヶ丘住宅地の開発前は60mほど離れた、もう少し高い場所にあり、一帯は金毘羅山と呼ばれたそうです。


いろは坂。


いろは坂桜公園からの眺望、崖下には大栗川が流れています。


聖蹟桜ヶ丘駅に戻ってくると、あらいぐまラスカルが描かれたマンホールがありました。多摩市にある「日本アニメーション株式会社」のキャラクターです。ここまでが午前の部です。


午後の部は、聖蹟桜ヶ丘駅をスタートしてまず大河原公園に。多摩川と大栗川に挟まれた所です。


しばらく整備された川沿いを歩きました。


歩き続け、コース予定ではなかった多摩川と大栗川の合流地点まで行きました。なかなか足を踏み入れない場所、しかも遠くにスカイツリーまで見えました


大栗川を遡上、右岸が連光寺です。


大栗川と乞田川の合流地点。写真の右側が大栗川、左側が乞田川です。河川改修前は両河川とも蛇行しながら、この付近で合流していました。


乞田川は大栗川の支流で、町田市上小山田町を水源地とする一級河川です。右岸に見える排水口は大谷戸川(連光寺川)の末流です。

大谷戸川を遡上、住宅街ですが渓谷のような景観です。実際、川沿いに清水渓緑地や大谷戸川緑地があります。


桜ヶ丘公園ゆうひの丘展望台を目指して、尾根道を上ります。頑張れば絶景が待っています。


絶景。ゆうひの丘展望台からは、武蔵野台地や狭山丘陵の景観がよく見えます。当日は少し霞んでいましたが、快晴ならば赤城山が望めます。


旧多摩聖蹟記念館に着きました。明治天皇の行幸を記念して1930年(昭和5)に建てられたものです。高い天井の下に明治天皇の騎馬像が置かれ、外は列柱に囲まれているという斬新なデザインです。


標高133mにある旧多摩聖蹟記念館から、うぐいすの道を下ります。

柳入と呼ばれる谷戸があります。森林総合研究所連光寺実験林がある一帯です。


狸ヶ入と呼ばれる谷戸。影が長くなりました。

高西寺山門、左甚五郎が彫ったと伝えられる龍の彫り物があります。

連光寺村の鎮守社、春日神社。かつて連光寺というお寺があり、連光寺の地名の由来とされますが、現存はしていません。

最後は乞田川の旧流路、大栗橋公園を歩いて、聖蹟桜ヶ丘駅で解散しました。

次回は12月22日(土)に八王子です。

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