2018年3月18日日曜日

新潮講座 稲城②篇

3月17日(土)は新潮講座の稲城②篇、稲城市矢野口周辺の沖積地と多摩丘陵北縁を歩いてきました。多摩川や大丸用水沿いの沖積地、多摩丘陵の里山風景、ニュータウンの街並みが稲城の特徴です。

JR南武線矢野口駅前。稲城市公式イメージキャラクター「稲城なしのすけ」がお出迎えです。

こんな感じで歩きました。

明治後期の地図。

最初に行ったのは矢野口渡船場跡。多摩川にはかつて39ヶ所の渡船場がありましたが、稲城市には、是政の渡し・常久河原の渡し・押立の渡し・矢野口の渡しがあり、人や物資を運ぶ伝馬船や馬を運ぶ馬船が行き来していました。


ちなみにここは東京都(稲城市)と神奈川県(川崎市多摩区)の都県境です。境界マニアには見逃せない場所ですね。

渡船場道にあるのは14基の馬頭観音。真ん中の大きい石塔は1816年の造立で、馬頭観世音が浮彫された珍しいもの。

渡船場道と川崎街道との交差する場所は昔から交通の要衝でした。川崎街道の拡幅に伴い、地蔵菩薩と銀杏の木が大丸用水菅堀の横に移転されました。

弁天通り(大山道)を歩いていくと三沢川が流れています。天神橋から穴澤天神社方面の眺め。ここから沖積地を離れて多摩丘陵を歩きます。


穴澤天神社は延喜式神名帳に記載されている多摩八座の一社と比定されている古社で、天神山の中腹に鎮座しています。


神社の崖下から湧き出している御神水は東京名湧水57選のひとつ。

境内ではミツマタが満開でした。

穴澤天神社から崖を上るとジャイアンツVロードがあります。歩道には巨人軍選手の手形が埋め込まれているので、それを見ながら歩くのも楽しいですよ。


威光寺。真言宗豊山派の寺院で、境内の奥には古代の横穴墓を利用した弁天洞窟がありますが、残念ながら閉鎖されていて入れません。


妙覚寺の近くにある「ありがた山」からの眺め。ありがた山には4000体を越える石塔があります。元は駒込周辺にあったものが、関東大震災により無縁仏になって慈悲団体によって運ばれたとのことです。


妙覚寺の板碑。妙覚寺は臨済宗建長寺派の寺院で、境内一帯は鎌倉時代の武将、小沢次郎重政の居宅・馬場・蔵跡といわれています。板碑は保存状態がいいです。


稲城のグランドキャニオンと呼ばれている南山東部区画整理事業地区。ここは高度成長時代に山砂採取場がありましたが、露出した稲城砂層が浸食されやすい状態になっていました。区画整理事業が急ピッチで進んでいますが、仮面ライダーのロケ地だったことでも知られています。


京王相模原線と梨園。稲城の梨は江戸時代からの特産品で、平成18年に特許庁から地域ブランドの商標登録の認定を受けています。シーズンには市内100ヶ所以上の直売所で購入できますよ。


最後に訪れたのは常楽寺。創建年代は不詳とのことですが天台宗の古寺です。山門は江戸時代初期のもの、境内には沢山の仏像が置かれています。

新潮講座4~6月は、吉祥寺・久我山・千歳烏山周辺に行きます。お待ちしています!
https://passmarket.yahoo.co.jp/event/show/detail/01raynzb962c.html

2018年3月11日日曜日

祖師谷〜仙川が作りし谷へ〜

3月10日(土)に開催した「祖師谷〜仙川が作りし谷へ〜」の報告です。
今回は多摩川の支流仙川(せんかわ)が作った谷の周辺を歩きました。

集合は小田急線祖師ヶ谷大蔵駅。千歳村大字下祖師ヶ谷と砧村大字大蔵との間に駅ができたためこの駅名となりました。


駅前広場にはウルトラマン像がありますが、駅の周辺にあった3つの商店街が2005年に一緒になり、ウルトラマン商店街が誕生しました。ウルトラマンを生み出した円谷プロダクションの旧本社や円谷英二氏の自宅がこの地にあったためです。


ウルトラマンゲートというのが3ヶ所あります。これは耕雲寺近くにある、帰ってきたウルトラマン。
これは祖師谷ふれあいセンターの横にある、ゾフィー。


これは塚戸十字路にある、ウルトラマン。


駅を挟んで南北に長いウルトラマン商店街は、祖師谷道という古鎌倉街道の支道です。


商店街を南に歩いていくと耕雲寺という仙川の崖地を利用した寺院があります。スリボチですね。曹洞禅宗で定期的に坐禅会を開いています。

崖下に降りると耕雲寺下からの暗渠が仙川まで続いていきます。

坂道を上る道は登戸道(津久井往還)。

坂の途中にある東京都住宅供給公社の大蔵団地。昭和35年から建設が始まった古い団地でこれから建て替え予定です。ここは縄文人も住んでいた地です。

世田谷通りを越えると国分寺崖線の下に大蔵三丁目公園の湧水池があります。この付近の湧水は豊富で、成城三丁目緑地などの湧水地が知られています。

野菜洗い場がいい雰囲気ですね。

9日に大雨が降ったためか、仙川の流れに勢いがあります。

仙川の谷を遡上して東宝スタジオに。ゴジラがお出迎えしてくれます。

さらに仙川を遡上します。カモやサギもいてのんびりした風景です。ちなみに仙川の上流端は小金井市貫井北町ですが、そこにはほとんど水の流れがありません。

昭和18年に防空緑地として計画された祖師ケ谷緑地に由来する祖師谷公園。計画面積は55ヘクタールですが、開園区域はその一部で現在でも土地買収が進められています。桜の木はアメリカのワシントン市ポトマック公園の桜を実生から育てて、その苗木を植樹した里帰りの桜です

上祖師谷の神明社に着きました。

仙川の遡上はここまで。祖師ヶ谷大蔵駅に戻るため南下します。滝坂道から入ったところにある仙川あげ堀の類さん川暗渠。あげ堀とは、かつて水田に水を引き込むための水路のこと。仙川の両岸に見ることができます。

怪しい集団ではありません。つりがね池からの水の流れを確認している一行。

標高45mにあるつりがね池公園。スリバチ状の公園で湧水池から西側の仙川に向かって水が流れていくのが興味深いですね。かつて日照りの時には雨乞いの行事も行われていたそうです。

祖師谷団地給の水塔。東京都住宅供給公社の祖師谷団地は大蔵団地より古く昭和31年から建設が始まりました。

最後は住宅地の合間にある暗渠を抜けて谷戸川まで。


ログでは14キロでした。お疲れ様でした!

2018年3月4日日曜日

【フィールドワークのお知らせ】2018年3月10日(土)祖師谷〜仙川が作りし谷へ〜


おおよそ隔月にて実施しているフィールドワークのお知らせです。

2018年3月10日(土)に実施するフィールドワークは「光の国」の方々とゆかりのある世田谷区の祖師谷エリアに行きます。多摩川の支流仙川(せんかわ)が作った谷の周辺を歩きます。

午前は祖師ヶ谷大蔵駅を南下。いきなりですが祖師谷から逸れて(笑)ちょいと大蔵エリアへ。「耕雲寺」で「スリバチ」、「大蔵住宅」で「国分寺崖線」など凹凸歩きを堪能します。大蔵運動公園西側崖下にある「弁財天」あたりで折り返し、仙川沿いを北上して祖師ヶ谷大蔵駅へ戻り、お昼休憩とします。

午後は「祖師谷」のメインとなるエリアを巡ります。まずは仙川沿いをさらっと北上し「祖師谷公園」へ。そのあと「上祖師谷神明社」「祖師谷神明社」「祖師谷団地」「祖師谷通り」と祖師谷三昧いたします。住宅街の中にひっそりと佇む「二級スリバチ」の「つりがね池公園」にも寄ります。最後は祖師ヶ谷大蔵駅に再び戻ります。

午後からの参加もOKです!

いつも通りたくさん歩くと思いますがお時間合えば是非ともご参加くださいませ。

【開催概要】
日程:2018年3月10日(土)
集合時間:10時00分
集合場所:ウルトラマン像前(小田急線祖師ヶ谷大蔵駅改札を出て右すぐの広場です)
昼食休憩:小田急線祖師ヶ谷大蔵駅周辺で12時30分~13時30分の予定(時間は多少前後します。)
※午後参加の方は13時30分頃にウルトラマン像前にお越し下さい。午後スタートの時間は当日にFacebookイベントページでお知らせします。午後から参加メールで申し込みされた方はメールでお知らせします。
解散場所時間:ウルトラマン像17時頃予定(解散場所は変更する場合あり)
参加費:200円(資料印刷代+保険代)
※午後から参加予定の方はその旨ご連絡ください。
※祖師ヶ谷大蔵駅近辺で懇親会を開催予定です。当日に参加の可否をお伺いします。

参加ご希望の方は、下記Facebookのイベントページにて参加ボタンを押すか

または、suribachitama@gmail.com までご連絡ください。

↓Facebookイベントページ↓
https://www.facebook.com/events/2141552492731126/

途中参加・途中抜け可。小雨小雪決行、荒天の場合は別途お知らせします。

【午前の部ルート(予定)】
ウルトラマン像前→帰ってきたウルトラマン→耕雲寺→円谷プロ本社跡地→大蔵住宅→大蔵三丁目公園→弁財天→ゴジラ→七人の侍→仙川沿いのんびりと北上→ゾフィー→ウルトラマン像

【午後の部ルート(予定)】
ウルトラマン像→仙川沿いを北上→祖師谷公園→上祖師谷神明社→つりがね池→(余力があればウルトラマン)→祖師谷神明社→祖師谷団地→ウルトラマン像(解散)