多摩モノレールの上北台駅から狭山丘陵南端を歩いて、西武多摩湖線の武蔵大和駅がゴールです。
大正10年測図。まだ多摩湖(村山貯水池)ができてません。集落は狭山丘陵南側に沿って続いています。
昭和12年修正。多摩湖は1927年(昭和2)に完成しました。
昭和41年改測。武蔵野台地に住宅が増えてきました。左下は村山団地、右下には東京街道団地が見えてます。多摩湖の南側にあった田んぼ(狭山たんぼ)が埋め立てられ、こちらにも住宅開発の波が押し寄せてきました。
昭和58年修正。一面の住宅地の中、市立狭山緑地と都立東大和公園の緑地があります。現在の東大和公園がある場所には、昔、団地の建設計画がありましたが、保存活動により貴重な自然が残されることになったそうです。
多摩モノレールは、今年の11月27日に開業20周年を迎えました。特別ラッピング列車の運行、記念乗車券や記念グッズが販売されています。
多摩モノレール上北台駅からは、さらに武蔵村山市を経由して瑞穂町の箱根ヶ崎までの延伸計画があります。
新青梅街道を超えると空堀川が流れています。向こうに見えるのは昭和40年代に竣工した芝中住宅です。
空堀川は柳瀬川支流のひとつで、武蔵村山市の野山北公園付近を水源とする一級河川です。冬は涸れてしまい空堀となることから名前がついたといわれ、河床が砂や礫のため砂の川とも呼ばれました。その名の通り水が流れていませんでした。
蔵敷庚申塚と道標。蔵敷とは「雑色」に由来するといわれ、平安時代の下級役人が着ていた服の色が定まらないため、名付けられたといわれます。
奈良橋川を渡り、青梅街道沿いにある蔵敷高札場。都内では府中とともに残っている高札場です。
これは何かというと、蔵敷太子堂跡です。聖徳太子に対する信仰の場で、現在は地区
集会所として利用されています。後方はもう狭山丘陵になります。
東大和市立郷土博物館で休憩。郷土の歴史や民俗、自然に関する展示をしています。またプラネタリウムが併設されていて楽しめます。東大和市内には「よもやま話」などをテーマにしたモニュメントが27箇所に設置されています。ここには狭山丘陵の「いのしし」がいました。
郷土博物館の北側一帯にある八幡谷戸と呼ばれる谷戸です。縄文時代中期の住居跡などの遺跡が発掘されています。高台には八幡神社があります。
奈良橋に入りました。八幡谷戸の集落です。東大和市は清水、狭山、高木、奈良橋、蔵敷、芋窪の旧六ヶ村が合併して発足しました。いずれの村も狭山丘陵から南北に細長い形をしていますが、狭山丘陵の薪炭林と水、武蔵野台地の畑と秣場を確保しようとするとこの形になるのでしょう。
雲性寺。狭山三十三観音霊場十八番札所です。馬頭観音や庚申塔、六地蔵などの石仏が多くあり、山門は箱根本陣の一の門として使われていたものを譲り受け、1951年(昭和26)に設置したものだそうです。
諏訪山橋から多摩湖方面の狭山丘陵の眺望。八幡谷戸の東側の山は、諏訪社があったため諏訪山と呼ばれたそうです。
丘陵の高台を降りると二ッ池公園があります。廻田谷ツという谷戸の谷頭にあたり、東大和公園の西側に接した公園です。前川の源流部にあたり、昭和30年代前半まで周辺一帯は狭山田んぼと呼ばれた水田でした。昭和30年代後半以降の宅地化に伴い水田は埋め立てられ、灌漑用水として利用された前川は、支流も含めて暗渠やコンクリート張りの水路になりました。
モニュメントがありました。このモニュメントは「ごはん塚」といいます。新田義貞が鎌倉攻めの際に、この付近で陣を布いて、ごはんを炊いたそうです。
二ッ池公園の湧水と、公園近くにある湖畔集会所(写真)裏の湧水は、東京都名湧水57選に選ばれています。
巡田谷ツの南側にある階段。
巡田谷ツを流れる前川が、暗渠から開渠になる場所です。
狭山神社。狭山村は後ケ谷村と宅部村が合併してできましたが、狭山神社は後ケ谷村の村社でした。また1923年(大正12)に貯水池の用地にあった御霊神社が合祀されました。
モニュメントがありました。「野球少年」です。明治初期にこの地に小学校ができたことに由来するそうです。
狭山神社の南側には、谷ツ入という小さな谷戸があります。前川支流の暗渠です。
円乗院は、火災で古い記録が消失したため創建は不明です。かつては二ッ池公園付近にありましたが、1607年(慶長12)の風水害で現在地に移ったといわれます。鐘楼門は1749年(寛延2)に建てられたものです。
円乗院がある高台を下りて、前川支流の暗渠を歩いて武蔵大和駅まで歩きました。
なかなか歩きに行く機会がない狭山丘陵ですが、狭山丘陵の南端には古くから集落があり、谷戸、湧水、寺社などスリバチ散歩を楽しめるエリアです。是非一度歩いてみて下さい。
新潮講座は来年から第3日曜日の13時スタートになりますが、引き続きよろしくお願い致します。
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